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動く3〜5月、作る6〜7月

  • 執筆者の写真: ai kawase
    ai kawase
  • 8月7日
  • 読了時間: 8分

2月に念願のソロダンス公演を終えて、3〜5月は堰を切ったように踊っていました。



まずは、

川瀬亜衣 ソロダンス『透明な綾』にて、solo_b の振付・演出をしてくださった大谷悠さんが企画された「トリシャ・ブラウン研究会」。


神奈川県から黒田杏奈さんを招聘され、4日間の研究会が行われました。

コロナ禍にオンライン受講されたトリシャブラウンカンパニーのワークショップや、黒田さんらが運営されているMurasaki Penguin Project Totsuka で行われたワークショップにて、お二人が経験されたワークなどをシェアしてもらいました。

ゆるやかに感想などを交換しながら、互いに取り組んだワークから理解を深めていくような時間。

最終日には発表会が行われ、お客さんとも終演後に言葉をたくさん交わしました。


個人的には、この4日間を通して風通しの良いフラットな感覚が通底していたのが印象的だったのと、トリシャ作品のワークを動いてみた体感のなかに面白味や野生味が感じられたのが、驚きとともにさらにトリシャ作品への関心を高めてくれるものでした。


またどこかで、お二人や研究会メンバーと再会し、いつかまたトリシャ研究会が行われることを楽しみにしています。



つづいては、

VIA OSAKAです。


過去に通った思い出のある、京阪電車なにわ橋駅のコンコース内にあるスペース「アートエリアB1」で、パフォーミングアーツ系の催しのクリエイションと出演の公募がされており、

ソロダンスを終えてから「今までに踊ったことがない場所で踊ること」の経験を求めていたこともあって、早速応募しました。


その場所の特性が、シンプルに、そこで行うパフォーマンスの方向に関わってくること。

この場ではどんなパフォーマンスが活きてくるのか。

実際にその場で創作してみて分かることがあるのは常ですが、その会場がある地域や土地だけではなく、その建物自体の構造や用途もまた色濃く存在しているアートエリアB1。

個人のクリエイションではそのことに静かに右往左往させてもらっていて、柔軟につきあってくださった会場の皆さんやテクニカルの皆さんに感謝です。


いざ、ほかの出演者の方々の創作に関わると、会場以上に色濃いメンバーで、

私の作り方やパフォーマンス時の身体の置き方とはまた異なるものを見たのでした。


これからも柔軟に、いろいろな場所や人と、創作の場に身を置きながら、

個人の活動として大切にしてきたことや重視していることも純粋に育てていけたらと思います。



3月は、この二つのほかにも、秋に出演する作品のクリエイションに向けてガイダンスや打ち合わせがあったり、翌月のFOuR DANCERSでの出演に向けて準備を並行していました。

今までになく、関わる人や機関などの多い現場に身を置かせてもらえるのは、とても身の引き締まる思いと同時に嬉しく。

そして、なによりも、自分がこれまで大切にしてきたことが、そのまま、作品の上演と密接に関わり合っていそうな仕事を受けさせてもらえたことが、「続けていて良かった(大切にしてきたことを)」とじわじわと。



4月は、FOuR DANCERSの出演から始まりました。


本番を終えて、お客さんからポジティブな感想をいただいたり、一方で厳しい意見をおっしゃる方もいました。

たしかに、課題を感じる面もあって、それはなぜ起きたのか?

あとあと考えれば考えるほど、創作過程において、

どんな環境で/どんな手続きをして/どんな経験を互いに共有したのか? が、

とても大切ということに思い至るのでした。

一度も出演者同士が揃ってリハーサルや稽古をせずに、本番のパフォーマンスをするということの意味や、その良さはどうあるのか? ということを、自分としてはどう噛み砕けばよかったのか。

違和を感じたら、すぐ対応すること。

でも、その違和感とは、未知だから感じるのか、本質的に相容れないからなのか。

反射的に判断するのではないやり方で模索したいとも思ったのでした。

まぁ、当分は、打ち合わせのみを重ねて、一度も通しリハーサルをせずに本番を迎えるような作品づくりは、お腹いっぱいかなと。

しばらく年月が経って、もしこの違和感の内容が解ければ、ありえるのかな。

それくらいには、堪えた上演だった。



5月、今度は久しぶりに新長田で踊る機会が。


ひとつは、長田区制80周年アニバーサリーの中で行われた「長田フェスティバル」において、鉄板コテ之介さんと「踊るまち長田」を国内ダンス留学修了生有志のみなさんと。

「100%の準備で向かいたい」というのが今回の個人的なテーマでした。

歌に合わせたユニゾンの振付を踊るのが随分と久しぶりだったこともあって、ただ動きを体に馴染ませるだけでなく、今回踊る場がどんな位置付けのものなのかを個人的に掘り下げてパフォーマンスに向かいました。

「見に来た人たち個々人と踊りをわけあうように踊ること」へは取り組めたものの、それをしようと思うと、どうしても段取り的なところをクリアできず。。全体演出に対して申し訳なかったです。


もうひとつは、スペースノットブランクのお二人のワークショップへ。

最終日にはショーイングもあり。

その場の思考のうずも、身体的な感性も動員して動いていく性質も、創作脳もパフォーマンス脳も、いろんなモードをあちこち切り替えながら、動的に進行していく創作的な時間。

頭も含めた全身が運動量を上げてエネルギッシュになる、活性化される時間で、個人的に初めての感覚!と新鮮さにあふれていました。

上演でセリフを発語することについては、この時のようにテキストを読むということならやれそうかも...と思えたのも、補助線で今後の創作に生きてくるかな。



「国内ダンス留学」といえば、今年はプログラム全体のデザインが刷新されていて、とても気になっています。

スペースノットブランク作品の上演もあるし、ソロダンスの創作をする面々がこのプログラムをどんな風にドライブしてタネを植わえられるのか。気になります。



そして、月末頃には、

いつもお世話になっている先輩ダンサーさんにお声かけいただいて、

はじめてクロッキーモデルとしてのパフォーマンスの機会を持たせていただきました。

ドリンクアンドドローという催しで、名和晃平さんとブルノ・ボテラさんによって京都のとあるスペースでたびたび行われてきたものを、公開パフォーマンスとして行われるという趣旨。

OSAKA ART & DESIGN 2025の関連イベントとして、なんばの高島屋さんで行われました。


会場のモデル台に立つダンサーの姿は、「人体」が照明によって照らし出され、その人の風情も映し出してくれるみたいに見えて静かにちょっぴり感動しました。

クロッキーに手を動かし続ける熱に応えるように、動的なポーズを目指して...どうしてもちょっとずつ動いていく体...。

プロのクロッキーモデルさんたちの仕事に尊敬の念と、貴重な機会を持たせていただけたことに感謝です。

ムービングでよければ、またいつかやってみたいな...


この時の記録はまた後日。

パフォーマンスの前に参加させていただいた陶芸のワークショップで生まれた「耳」とも再会が楽しみです。




ワークショップをはじめ、研究会や即興会などとお仕事以外でも踊っていく機会を、可能な限りもっていこうとしていて。

ZAC BARAN で行われている、音楽と身体の自由即興会へも、この5月は出かけられたのでした。

先輩方の即興の懐深さに、自分のよちよち歩きが照らし出されてきます。

運動量を上げていくようなやり方でその厚みを補うよりも、私ももっとそのやり取りの中に入ってみたい、深く会話してみたいと思うのでした。







そして、6月からはしばらく創作の時間へ。


8月にいつもお世話になっているUrBANGUILDにて、お盆に帰省されるL.A拠点に活動中のピアニストの藤井斉子さんの帰国にあわせて、即興パフォーマンスのイベントを企画しました。

これについてはまた8月のブログに。

即興と一口に言っても、インプロ、アドリブ、アレンジ、サンプリングするその瞬間の判断、さまざま。


improvisation performance[ Tele - 遠くから ]

2025.8.12 tue 19:30 open / 20:00 start

at UrBANGUILD Kyoto

performers. Ichizo Yoshioka / 藤井斉子 / 川瀬亜衣


2月に上演した、川瀬亜衣 ソロダンス『透明な綾』。

記録映像の編集を奥田さんと一緒に取り組んだり、上念省三さんに執筆をお願いしていた観劇録の原稿をいただいて、その装丁やどう世の中に広まっていくのがいいかを創作する時間を、ひっそりと重ねていました。

夙川での稽古を見に来ていただいた1月から、芸文ホールでその装丁案を手渡した4月へ。

上念さんによる「透明な綾 二十五首」、写真や短いテキストで振り返る創作の軌跡、記録映像へのリンクなど収録しています。

詳しくは公演WEBをご覧ください。



ご希望の方へは、無料配布しています。

直接お渡しするか、送料をご負担いただけましたら、郵送もいたします。

お渡し方法についてはご相談いただければ、可能な範囲で応じさせていただきます。

どうぞ、ちょっとでも気になっていただけたら、ご連絡ください。




 
 
 

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