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 improvisation 

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即興、その日の体と場

 書かれた言葉を踊ろうとするとき、そこから想起される物語や景色や思いなどのすべては、読み返すごとに読み手のとりまくあらゆる環境によって変化していく。そうして動いているものを踊るのなら、できるだけその日その場で起こっていることを含めていけるようにと、即興的に踊ることへと傾倒していった。自身の身体も、社会も、あらゆる環境の変化が加速して感じられる中で、自身のパフォーマンスでは何を差し出すのかを問う時間を経て、今の取り組みにつながっている。

 現在は、その日の体と場とのセッションに主軸を置いた状態で、日々の所感や書き言葉から感受したことを、即興的にムーブメント化したり、ごくシンプルな条件付けだけを用意して即興的に動いたり、行いとして表出してきたり、ただ佇んで眺めるなどをふるまい、これまでの自身の創作や作品への固定観念を手放していこうとしている。

言葉との関連性

 即興をはじめる前段階として「書き文字を辿り踊る」シリーズがある。2018年、幼少期から触れてきた書道によって培われたであろう自身の身体性や思考・感覚が、自身のダンス観の根幹にあるのではという気づきから、書く行為そのものや書き残された文字そのものを受けてうまれる個人的感覚を手がかりに、「書き文字を辿り踊る」ことをはじめる。

 創作を重ねる中で、振付のなかに混在していた「書き手の痕跡としての文字の形状やストロークをムーブメント化すること」と「手書き文字の読み手の内に広がる言葉や物語を踊ること」を腑分けした創作へと変化していった。同時に、文筆活動を並行するようになり詩作が生活の一部となっていったことが影響して、ダンス作品のなかで自作詩を引用しながら書き文字と向き合う創作へと移行した。

 即興 

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