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6・7・8・9月


おひさしぶりです。

真夏っぽい熱波が寝起きの身体にはりつく季節もいつ頃からか過ぎ去って、

この数日、夜や朝方の外気を吸い込むとすこし気道や皮膚が冷えるような、

秋らしい季節になりましたね。

夏は夏で、ひりひりとむせかえるような熱い湿気もよい。春は花粉症さえなんなきゃなぁ。。

秋冬の装いは、柔らかだったり温かかったりするのが気持ちよいのが心落ち着いて好きです。

味わい深いものに存分に時間を使ってよし、そんな気分がしてくるのが私にとっての秋冬で、

食べるも眠るも踊るも鑑賞するも、存分に味わいたいところです。

術後は1週間おきにぐぐっと回復するような形で快方に向かい、主治医のお医者さんにも、術後1か月のタイミングでとってもよく治ってるとお墨付き。

気圧の影響もあるのでしょうが、腰痛とともに生活する時期があったり、まれに下腹部までは呼吸した時に空気がはいってくれなかったりもあったのですが、最近は生活のなかで引っかかることもなく。

手術前から通い始めたアレクサンダーテクニックのクラスで、これまで気になりつつも解消してはいなかった身体のあれこれを学び、身体を見つめ、また身体の印象が更新されていっています。

この5か月の間で、すごく自分の身体(身体をとおして感じ知るすべても)が、柔らになった。

いつでも何しててもどこにいても踊れるし、やめてもいつでも何してもどこにいてもまた踊るときがあるだろう。そんな居方をしているこの頃です。

・・・

6月。

大坪晶さんの「Shadow in the House」プロジェクトの撮影で岡山へ。

この頃には走ってもそんな差し支えない、ジャンプもできる、そんな回復速度。

撮影の合間に話した会話がとても濃密でした、知りえなかった岡山の過去とつかの間の邂逅。

またふたたび岡山へ行った時には、訪れたい場所が増えました。

このあと、「Shadow~」たちは、鳥取にてエキシビション/パフォーマンスを控え、ちょうどこちらと同会場で行われた「鳥取夏至祭」にプロジェクトメンバーの古川友紀さんが出演ということで、日帰り鳥取にも行きました。神戸でご一緒したりお世話になってきたダンサーの山本和馬くんといはらみくちゃんとも、久々の再開を鳥取で果たすというお楽しみ付きでありました。

ひとりどん欲に尾崎放哉の小径も歩ける限り歩き、歌碑を撮影。そのほかにも、歴史資料館で古い消防車にほれぼれしたり、「Shadow~」の周縁を歩くような小旅行でした。

その手前には、Umishitagiの中西さんとミーティング。

とてもお久しぶりだったのですが、なんだか滝のごとくしゃべった記憶が。。このあと、9月のダンスの天地vol.02で初ライブとなる、ダンスのバンドUmishitagiが始動。あったかくも風通しいい現場で、私はかなりの頻度で笑っていた。

なんでこんなに大声で笑ってしまいたくなるのか、、あれはたぶん、よその場(この頃のNewsや、何か関係性が歪に縺れている場所や、生活レベルからもっと大きな社会状況やetc)でいつの間にか積もり積もったお怒りエネルギーが笑いになって爆発していた。芸術っていいもんです。

そうしてあっという間にすぎていく6月。同時進行で、福岡県うきは市のみなさんと一緒に取り組む「うきはCityDays」のダンスを考えていました。7月のなかほどには、うきは市で行われる祇園祭のさなかに初来うきは。うきは市で出会った方々はほんっとうに元気で、情熱があって、もっとも幼い私は自分のいる舞台の世界とは違うコミュニティに入れてもらいながらすごく学ばせていただきました。

7月。

ひさしぶりに、神戸はDanceBoxへ、プレゼンしに行きました。初めてお会いする方や、知ってるけどちゃんと話してない、最近あんまりご一緒してない、そんな間柄のメンバーで集まり、

短時間ではあるものの、それぞれの現在地を垣間見てよい刺激なのでした。

そういった時間も少しスパイス利かせつつ、、もっぱらこの頃は、鳥取・樗谿グランドアパートでのエキシビション/パフォーマンス「Shadow in the House」のパフォーマンスを友紀さんと入念なリサーチも折り重ねながらクリエイション。

昨年12月に大阪・十三のブルームギャラリーでのパフォーマンスとはまた違う、ダンサー2人の体感や撮影をとおして知ってきたことの中から心身に濃く残り香があった事象を集めてシーンをつくる。

古川友紀さんとの創作は、ひとつひとつ積み重ねていけるし、そして、さまざまな可能性も風通しよくはらみながら端正な時間だった。とにかくほんとに創作しやすかった。友紀さんというダンサーと作れて本当によかったです。今後も続くShadow in the House が、友紀さんにとっても、私にとっても、どんな風に息づいていくのか、本当に楽しみ。

と、7月は、ここのところ通奏低音のように通ってきた、寺田みさこさんのモダンクラスの発表会もありました。うちうちのスタジオパフォーマンスで、出会った人・興味ありそうな人にほそぼそとお知らせ。

別枠でソロをしていた、夏目美和子さんのダンスにくぎ付けでした。。憧れさせられるダンスにはなかなか出会えていなかったので、この日、私は幸せ者でした。自分が踊ったモダンクラスのみなさんとのPracticeも、長く付き合えた振付でありながら本当に奥深く、、まだ私は6合目にさしかかったか、というところでまだまだ踊りたい。これからも踊ります。

8月。

この月の最初には、とても若い作家たちとの現場。

Nishi Junnosuke くんにお声かけいただいて、初共演の方々ばかりの中(そしてぶっちぎりで自分が最年長。)、シェアハウスの一軒家をまるごと舞台にした作品「sopamusik」がありました。

Nishiくんとは、いつもお世話になっているUrBANGUILDの企画「FOuR DANCERS」で同日に作品を上演していて、そこで出会って以来。たくさん話し、私もおそるおそる徐々にたくさん話し(人見知りなので)、Nishiくんが川瀬に振付けてくれた作品は、その会話があって凝結したことがよく分かった。この公演は多層構造になっていて、お家の中で同時多発的に作品が始まり進行していて、公演としては観客がふんわり提示されている動けるエリアを自分で判断ながら移動してパフォーマンスと出会っていくことで繋がる。

ダンスに対する発想の出発点や、身体や表現そのものに対する世代毎の色を感じ取れ、とても刺激的でした。そして、ここでご一緒したダンサーの久保田さんや小林さんとは、9月のダンスの天地で再会。こういう交差はとっても嬉しい。

9月。

ついに、ダンスの天地vol.02にて、Umishitagi「1st.GIG」。

後日書き上げられて公開される批評、そして、上演前に企画代表の山本和馬くんが作家を訪ねまわって行ったインタビューが存在することが、この企画の醍醐味。Umishitagiはどう批評されるのだろう。。

公演の前日に、他団体とも初めて出会う。8月の再会がこんな早く訪れたよろこびと、手のかけられたよい作品が多く、公演としては分厚い同時代の切り抜きだったのではないかしら。

Umishitagiとしては、すでに2月29日にUrBANGUILDで「2nd.GIG」が決まっていて。

今度、またUmishitagiバンドメンバーで集まり、今後の活動が練られます。こうご期待。

1週間ほどおいて、今度は、意図せず生まれた即興2Daysです。

16日に、いつもお世話になっている立派な同世代ダンサー大谷悠ちゃんの企画運営するSpace bubuにて、「Meeting6 ダンサー2人による60分の即興」で、水越朋さんと。

水越さんは大谷さんの大学時代の同期でもあり、以前UrBANGUILDで私が「書き文字~」のソロを踊っているのをみた大谷さんが、水越さんと川瀬のブッキングがおもしろいのではとこの機会を作ってくれたそう。

つかのまの、ほんとうに60分だけの、水越さんとのダンスの邂逅でした。

水越さんの、風通しの良く力強いダンスに、私も私のまま踊って出会えた。またご一緒する時が来るといいな。ダンスの手合わせは一切しないで始めた即興60分はあっという間で、ずっとしゃべり続けれるんじゃないかっていうような。初めて会った気がしない、そんな60分でした。

翌17日は、Umishitagiでご一緒したダンサー今村達紀さんにお声かけいただいて、「Echo(軌響躍)vol.3」にて即興。出演は、vol.2のメンバーに川瀬も入れていただいて。ギター、ドラム、ヴォイス、ペイント、そしてダンスの生のセッション。前後半でそれぞれ40分。

即興の奥深さはまだ知りえていないのだろうけれど、すこし触れることのできたこの二日。

またこういった時間を持ちたいなって思いました。

そして、例にもれず、間髪入れずに、自主企画であり主催公演の、10/5-6「SAILING-3 かくことのは|Fragment of written letters」の稽古再開です。初回稽古は「sopamusik」の出演翌日だった。

いい作品になりそうです。

昨年より、UrBANGUILDにてソロダンスを上演してきた「書き文字を辿り踊る試み」。

川瀬のダンスの髄はこれにあります。

着想は、2013年でした。

そこからずっと、手をかける時を見ていましたが、それはいまだ、と、昨年から始めました。

今作の出演者には、「書き文字~」の前作「逸星霞梅」にてデュオを踊ってくれた藤原美加さん、何かと話したりしていながら同じ現場を持たずにここまで来たけれど「書き文字~」に存在して相互にいい影響が生まれそうな遠藤僚之介くん、そして自分です。

これまでの、「書き文字~」作品とはまた経路の違う、しかし、とても髄をついている作品になりそうです。

今年の年始にその公演があった、「シティⅠ・Ⅱ・Ⅲ」の「シティⅠ」での振付の経験が実を結んできている感覚と、昨年に半年をともにした嵯峨実果子/増田美佳さんによる、文体を歩くワークショップ「mimacul」のその年の最後につくった文集に掲載された短編「そえぶみ」が姿を変えてダンス作品になってきた感覚が強烈です。

わたしが、わたしではない人として、わたしの身の上事を2年間描写してきた短詩が何篇かあって、

それらも作中の余白にただよいます。

今日の稽古でできた藤原さんのシーン、前回の稽古で像がみえてきた遠藤くんのシーン、いずれも、表現しようとする人の身体が愛おしい、そういう時間が生まれるのではないか。私が、ダンスにもとめていることが詰まっています。

どうぞおこしを。

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KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2019フリンジ「オープンエントリー作品」

「SAILING-3|かくことのは Fragment of written letters」

作・演出・振付・出演=川瀬亜衣

振付・出演=藤原美加、遠藤僚之介

照明=竹ち代毬也

制作=ゆざわさな

主催=SAILING 京都芸術センター制作支援事業 京都府文化力チャレンジ補助事業 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

幾度幾人もの手を介し、脈々と続く「かく」営み書き文字を辿り、不在者と踊る

脈々と続いてきた「かく」営みは、 誰かに向けてかかれている点で外に開かれながら、 肉体としてはただ一人で紙面と向き合い営むものです。 手書き文字を読むことは、 誰か筆記者の身体の痕跡を辿り想像することであり、 不在者の身体を想う事と言えるかもしれません。 幾度幾人もの手により行われた「かく」ことの痕跡 とも言える文字を辿り踊ることで、 不在者と踊ることは叶うものでしょうか。 刻一刻と変わる場所、時間のなかで 身体と表現に愚直に向き合う45分。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 公演日時=2019年10月5日(土) 17時30分 開演

        10月6日(日) 14時00分 開演 / 17時30分 開演 公演場所=a・room      〒604-8812 京都市中京区壬生相生町13-15 ナカミチアトリエ303      http://www.a-room-ii.com アクセス=阪急「大宮」駅・京福「四条大宮」駅より徒歩15分ほど。      京都市バス停留所「大宮松原」より徒歩8分ほど。 チケット料金=前売1,000円 当日1,500円 各+カンパ制 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【ご予約・お問い合わせ先】 ・メール予約=「氏名・よみがな・日中連絡の取れる電話番号・予約日時と枚数」を明記の上、こちら(sailing3.kaku@gmail.com)まで送信ください。 ・電話窓口=090-5843-2128(ゆざわ) *10月4日まで。       090-1586-3821(かわせ) *公演当日。 ※会場はビルの3階です。階段の上り下りがご心配な方は、ご予約時にお知らせください。 ※会場の都合上、席数に限りがございます。ご予約がお勧めです。 ※開場は開演の10分前です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〜明倫ワークショップがあります〜 日時=2019年9月25日(水)19:00〜20:30 会場=京都芸術センター内

https://www.kac.or.jp/events/26795/ 〜試演会にもぜひおこしください〜 日時=2019年10月3日(木) 16:30-17:30 会場=京都市左京西部いきいき市民活動センター ※完全カンパ制。入退場自由。ご予約推奨・飛び入り歓迎。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ SAILINGとは... 「場によって変容するヒトの身体を踊る」をテーマに、同年代の振付家・ダンサーの菊池航と川瀬亜衣による上演企画として2018年に開始。SAILING-1では、菊池と川瀬がそれぞれ振付・演出・出演する作品を上演。作品を通して、場所性と身体に対するスタンスの異なりを眺めました。次回は異なりを際立てることを期待して、2を菊池、3を川瀬が担当し、公演単位でその異なりを見つめます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ web... 【KYOTO EXPERIMENT 京都国際芸術祭2019】https://kyoto-ex.jp/2019/fringe_open-entry/ai-kawase-sailing/ 【a・room】https://a-room-ii.com/ 【SAILING】https://sailing.amebaownd.com/


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4月と5月について。 4月は、5月頭にひかえた京都国際舞踏祭への出演にむけて、新作のクリエイションを進めていました。 昨年から、UrBANGUILDのイベントFOuR DANCERSに度々御呼びいただいて、毎回ソロを踊らせて頂いてきました。 最初に出演させていただいたタイミングは、父が亡くなってから最初に作ったソロ。 密かに、ではあったのですが、個人的なことを舞台で踊った最初の時間でした。そこから

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