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シティⅠ・Ⅱ・Ⅲ 終えて


シティⅠ・Ⅱ・Ⅲ チラシ画像

1/25-27の三日間、公演「シティⅠ・Ⅱ・Ⅲ」がつい先日終了しました。

雪もちらほらする底冷えの京都を、さむいなか会場までお身体お運びくださった皆様、ほんとうに有り難うございました。

昨年の9月末に、振付をしないかと声をかけて頂いて、

シティという名前の3部作の戯曲があって、それをコンテポラリーダンスの企画の中で上演するが、

「シティⅠ」は若手のチーム編成とするということで、プロデュースにゆざわさなさん、ドラマトゥルクに渡辺美帆子さんが、すでに名を連ねて作品の方向性をつくっているなかに、ゆざわさんの作品ビジョンや方向性との相性によってオファーをいただき、振付をさせていただけることとなった。

私にとって、これまでにない大仕事でした。

10月は3本出演を控えており、まったくといって手をつけられなかった。

11月、ようやくリサーチ開始、プロデューサーのゆざわさん意向による町歩き。そして、キャスティング。

12月稽古開始、1月本番という、なかなかタイトなスケジュールだった。

限られた時間の中でやれることはやれるだけ精一杯やったと思う。

とくに、11月の時点でダンサーとして出演を許諾してくれた、古川友紀さんと畑中良太さん。

実質2ヶ月もない稽古期間のなか、作品への身体作りをするのは容易じゃないと分かっていながらも、ぐいぐい一緒につくっていった。

毎回の稽古時間を、稽古準備を、誠心誠意とりくんでくださってのあの本番での踊りだったと思う。

同じダンサーとしても敬意を感じるし、振付をさせていただいた人間として、ほんとうに感謝しています。

あと、これをおいてはかたれないのは、日々学校でフルタイム勉強したのちに稽古場に通ってくれたともちゃん。

彼女がこのあとの日々で踊るのか踊らないのかは分からない。けれど、そういうことじゃなく、シティを一緒にやれたことが、

彼女の中でよいように息づいてくれるといいなと思う。

ともちゃんと出会った日の会話が、シティⅠをつくる上でもっとも大事なスタートだった。

また、振付をする機会をそう多くは持ってこなかった私にとって、

劇場で、照明・音響・映像・美術という、テクニカルスタッフの方々や、舞台監督の方と作品をつくるというのが、初めてでした。

テクニカルのみなさんと、直にやりとりしはじめられたのが年末。

タイトスケジュールだと分かっていたにも関わらず、私の作品の方向や構想が定まるのにはいつもどおりの時間は要して、結局相談できる状態になれたのが年末だったのです。

ほんっとうに短い間であったけれど、それこそ限られた時間の中で試せることは試し、私の拙い伝え方でもキャッチしてくださり最後までお付き合いいただいたみなさまに感謝しています。

この機会をつくってくださったセンターのみなさまへも感謝です。

私個人の振付仕事としては、

実際に、舞台にあがる人の身体や踊りの立ち上がり方の雰囲気がわかってこないと、なんか掴めないというのがあって。

ダンサーの身体のもっている風景みたいなのがどんななのかとか、そういうのも戯曲と同じく作品の要素としていきたかった。

町歩きでの体感や思考も同じく要素としたかった。

この作品の創作初期に揃ったものたちを、要素として、そこから作品の軸や質を抽出したい。

と、クリエイションをはじめました。

町って、都市計画やら何やらデザインも戦略的になされている一方で、なんかこう区分けし難いものの引っ張り合いで成立していると感じていて、町歩きをしている最中にはなんだかそのことが確信めいた。

クリエイションでも、ダンサーの3人と一緒に戯曲を何度も読んで、これが大事そうなどと単語を抜き書きしたりして、自身の身体とつないでもらった。

具体的に舞台に上がる振付やムーブメントがどうであるかということよりも、やっぱりこのリサーチの時間がある程度まで豊かになるまで粘れたのはよかったんだと、本番をおえたいま思い返しています。そう思える、本番の時間があった。

いろいろとつっこみどころもあるとおもうのだけど、、、

とにもかくにも、誰もなにも脱落しすることなく、本番を終えられて、個人的にははわーと溜め息をつきました。

たくさんお世話になりたくさん学んだので、これからももっともっといい作品を作ろうと思いますし、踊ろうと思います。

シティを観に来てくださった皆様、ご一緒に現場を共にした皆様、ほんとうにありがとうございます。

ひきつづき、どうぞよろしく。

KAC Performing Arts Program 2018/ Contemporary Dance

『シティⅠ・Ⅱ・Ⅲ』(主催:京都芸術センター)

2019年1月25日(金)- 27日(日)

http://www.kac.or.jp/events/24525/

photo by Kai maetani


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