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 書き文字を辿り踊る 

 a dance, trace of written letters 

 2019.5.3
 逸星霞梅 − Issei Kasumiume −

 私にとっての踊りの魅力とは、踊ることで身体を訪ねていくうちに、身体の方から‘生’が吐露されてくる、しかもそれが希望だなと感じられるときです。人間の身体や踊ることに、どんどん惹きつけられていきます。自分が踊るとき、その時間をどう作ればいいのか、その一つの手立てとして私は近年、書かれた文字を身体で辿り、踊ろうとしています。

 書き残された文字を、書き手の書く身体の痕跡として捉えることから始め、そこから想像される身体を辿り踊りとしているのが現在の私の取り組みです。

 

 手書きで文字を書く機会は減少していっていると思いますが、必ずしも手書きしなくても良い中で手書きすることを選び、書かれた文字には、その言葉の意味内容のみならず、書かれた一筆一筆にその表現があるはずです。

また、文字には、誰かに読まれるということがその存在自体に内包されていると思いますが、書く行為は基本的には一人で行いながらも、必ず誰か読み手が想定されて、書き手は‘読み手’と書く行為を共にしています。

 明らかに、誰かに向けて書かれた文字は、表現としてとても具体的かつ抽象的だと捉えています。

書き手の身体へ、具体的かつ抽象的に近づこうとすることで、私の求めている踊りにも近づけるのでは..と試行錯誤しています。

(文責・川瀬亜衣/「踊りたいムズ」掲載文より抜粋)

 

 


日程date 3rd May. 2019
会場venue studio seedbox (京都・東九条)
作・踊りwrite•dance: 川瀬亜衣 Ai Kawase
踊りdance: 藤原美加 Mika Fujiwara

 

2nd Kyoto International Butoh Festival 第2回京都国際舞踏祭

記録写真:山下一夫 記録映像:クリストファー・フライマン

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